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docomo のシェアパックはMVNO と比較して妥当な金額なのかの検討記録

2017-05-14 Sun.

格安 SIM から docomo に乗り換えた以下のブログが話題になった。 格安 SIM(MVNO)で消耗するのが面倒になったので回線を全部ドコモにした – でこにく

自身も最近、総合的に得だろうという判断して家族全員 docomo でシェアパックの運用にしたので、金額面からの考察を記録する。

結論

まず先に結論を言うと、人数が多い場合、各種割引を受けられる場合、ハイエンドの端末を使いたい場合、複数回線持ちたい場合に、妥当な金額、もしくは MVNO より安い金額になる。

docomo のプラン

現在 docomo で回線契約する場合、最低維持費のプランは以下になる。

1 人の場合

2GB プラン

基本料 1,700 円 + spmode 300 円 + パケット(3,500 円/ 2GB 〜) = 5,500 円〜

※ 端末の実質価格を低くするために割り引かれる月々サポートの額が 432 円 /月減少

5GB プラン

基本料 1,700 円 + spmode 300 円 + パケット(5,000 円/ 2GB 〜) = 7,000 円〜

※ 20GB: 6,000 円、30GB: 8,000 円

パケットパック(データパック) | 料金・割引 | NTT ドコモ

家族でパケットをシェアする場合

代表回線: 5GB プラン

基本料 1,700 円 + spmode 300 円 + パケット(6,500 円/ 5GB 〜) = 8,500 円〜

※ 月々サポートの額が 432 円 /月減少

代表回線: 10GB プラン

基本料 1,700 円 + spmode 300 円 + パケット(9,500 円/ 5GB 〜) = 11,500 円〜

※ 15GB: 12,500 円、30GB: 13,500 円、50GB: 16,000 円、100GB: 25,000 円

パケットパック(シェアパック) | 料金・割引 | NTT ドコモ

子回線

基本料 1,700 円 + spmode 300 円 + シェアオプション 500 円 = 2,500 円

格安 SIM の場合

参考に、格安 SIM(MVNO) の大手であり多くの料金プランを兼ね備えている OCN モバイル ONE の料金を以下に示す

3GB

1,800 円〜

6GB

2,150 円〜

10GB

3,000 円〜

20GB

4,850 円〜

30GB

6,750 円〜

OCN モバイル ONE でおトクに格安スマホに乗り換えよう!

何人でどれくらい使う場合にお得になるのか

これは全てのプランに言えるが、docomo の契約年数が長い、ドコモ光を使っている、等の割引によってはこの限りではないが、ここでは一旦無視する。

2 人の場合

上記の料金表を参考に、2 人で 5GB の場合から計算すると以下のようになる。

(8,500 + 2,500) / 2 = 5,500 円

1 人で最小用量で使う場合と変わらないが、小容量の場合はこれで十分だろう。

逆に容量を増やす場合であると、1 人 15GB 使いたい用途で 30GB パックを選ぶと、

(15,500 + 2,500) / 2 = 9,000 となり、1 人で 20GB のプランを契約した際の 8,000 円より高くなってしまう。

=> 2 人で大容量使うのには不向き

3 人の場合

上と同じように計算してゆく。

5GB: (8,500 + 2,500 + 2, 500) / 3 = 4,500 円

確かに安くなったが、3 人で 5GB では些か窮屈なので、10GB プランに上げてみる

10GB: (11,500 + 2,500 + 2,500) / 3 = 5,500 円

1 人で 2GB の場合と同じ金額になった。容量は少し多いし、月々サポートの減額もない。この辺りから恩恵を得られ始めてくる。

ヘビーユーザーの場合でも 3 人で 30GB あれば十分だろう。20GB と 1000 円の差しかないのでコスパが良い。

30GB: (15,500 + 2,500 + 2,500) / 3 = 6,833 円

1 人で 5GB のプランにするよりも明らかに安いことがわかった。

=> 3 人の場合小用量でも恩恵あり。大容量でも安く使える

4 人の場合

4 人で 5GB は人権が無さそうなので計算しない。4 人家族の場合、大抵若い人がいて、若い人はもっと通信するだろうし。

10GB: (11,500 + 2,500 + 2,500 + 2,500) / 4 = 4,750 円

30GB: (15,500 + 2,500 + 2,500 + 2,500) / 4 = 5,750 円

50GB: (18,000 + 2,500 + 2,500 + 2,500) /4 = 6,375 円

1 人で使うよりも確実に安い。 だいたい MVNO の 2 倍くらいの価格になってきた。

=> 4 人で使えば確実にお得

5 人の場合

10GB: (11,500 + 2,500 + 2,500 + 2,500 + 2,500) / 5 = 4,300 円

30GB: (15,500 + 2,500 + 2,500 + 2,500 + 2,500) / 5 = 5,100 円

50GB: (18,000 + 2,500 + 2,500 + 2,500 + 2,500) /5 = 5,600 円

均等に分けたとして、10GB の MVNO が 3,000 円、

偏りがあったとして、20GB の MVNO が 4,850 円。

品質差を考慮すれば、価格面で見ても十分検討できるくらいになっている。

=> 5 人で使うと MVNO と比較しても十分検討できる価格に

各種割引

上記の計算に使用している基本プランは、5 分以内の通話が無料になるカケホーダイライトである。この部分がまず MVNO に比べ利点となる。

2017 年 6 月より 980 円のシンプルプランが使用可能になる。通話を全くしないのであれば、700 円安くなる。

また、現在では学割(25 歳以下対象)を実施しており、対象者は基本料金が 1000 円引きとなっている。

基本料金意外にも、docomo の継続年数が長ければシェアパックに割引が入る。

自宅のインターネットをドコモ光にすることでも割引が入る。(ドコモ光の評判はよくわからないが……)

利用者によるが、上記の計算結果よりもいくらか安くなるケースがあるだろう。

本体価格と割引

キャリア(MNO) と MVNO の大きな差は端末本体の価格や売り方にあると言える。

キャリアのスマホはオーバースペックだ、MVNO で安めのものを使えば良い、という意見もあるが、

実質価格でみるとキャリアの端末の方が安くなるケースも十分にある。(その上、高性能。)

この実質価格と言う仕組みが難しいのに対して MVNO はシンプル、という話なのだが、MVNO は分割で買っているだけなので、端末代は普通に満額払っていることになる。

(実質価格と言うのは、本体代金は普通に払うが、端末ごとに設定された月額割引を受けることで、合計の負担額が小さくなる仕組みである。)

上記の例で、特に 4 人以上の家庭の場合、月々サポートを含めた実質価格と、MVNO のミドルエンド端末(5 万円程度) を上乗せすると更に差は縮まる。

また、日本国内で利用者の多い iPhone となると、Apple 直販では 10 万円近くになる。24 回分割したとしても、毎月 4000 円近くになる。

一方 docomo の iPhone は実質価格が 2 万円程度であり、毎月 1000 円に満たない。

過去既に何度か言われているが、「MVNO + SIM フリー iPhone は安いのか?」と言う問題について、特にシェアパックを複数人で使う場合には明確に No であることがわかる。

回線の追加について

昨今、スマートフォンの複数台持ちや、タブレット持ちのユーザが増えてきているように見える。

サブの回線を MVNO で契約した場合、データプランのみであれば安いものの、通信容量の上限が低く、特にタブレットの用途でも代表的な動画との相性が悪い。

かといって大容量のプランを契約しては、2,000 円、3,000 円、とかかってしまう。

一方、既にシェアを組んでいる場合、新しく回線を追加した場合にかかる最低コストは、

基本料 980 円 + spmode 300 円 + シェアオプション 500 円 = 1,780 円

となり、音声契約の MVNO とほとんど変わらない契約で、シェアパックの容量分まで使用できることになる。

これが非常に安く、このことが私が家族全員 docomo 化を決定したもっとも大きな動機となった。

現在は通勤時や昼にも詰まることのない、高品質な docomo 回線を持ち歩きの 2 台で使えており、非常に満足している。

価格差はやはり品質に現れるもので、通勤/昼の時間帯は MVNO はやはり遅い。今まで 5 社使ったが、

Twitter に少し大きな画像が流れてくると読めない、大きめな Web ページの読み込みが遅い、等が気になるレベルだったため、この差は大きい。

まとめ

  • 3 人以上で使うと安い
  • 3 人以上の場合、大容量になるほど相対的にお得になる。
  • 学割を受けられるならば更に安くなる。
  • 使う機種によっては、本体代の総額が MVNO より安くなるケースもある。
  • 2 回線目を追加契約する際に追加でかかる費用が非常に安い。

最後に、docomo 回線は通勤時や昼等、通信量が増える時間帯であっても快適に使える部分が大きいと感じる。

価格差と品質差を判断した上で使えば、MVNO と比較する際に言われる「高い」「賢くない」使い方に必ずしもならず、むしろ「高品質」で「安い」可能性さえあるため、十分に検討したい。

キャリア各社のプラン体系は非常に難しいが、この情報が少しでも役に立てば幸いである。